昭和ポップス倶楽部 交流会レポ【テーマ:音楽と文化のつながり〜昭和ポップスパラダイス〜】

11月28日(土)、高円寺の昭和懐メロ酒場「ヤングマスター」にて、昭和ポップス倶楽部の交流会を行いました!

交流会では、持ち回りで誰かひとりが先生(プレゼンター)となり、自分の得意な・好きな分野や歌手について自由に紹介してもらうという内容になっています。直近では、「昭和ポップス界の偉大な作曲家」「昭和の音楽番組」などさまざまなテーマについて発表してきており、それぞれのメンバーが自分の得意分野を活かしたプレゼンをしてきています。

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今回は、先日「平成生まれ昭和育ちへのインタビュー」にも答えてくださった雨玉さんが、「音楽と文化のつながり〜昭和ポップスパラダイス〜」というテーマでプレゼンをしてくださいました!

平成生まれ昭和育ちへのインタビュー【知識と好奇心の宝庫・雨玉さん篇】

本題の前に・・・「今年のレコ大」についてちょっとおしゃべり

今回の交流会の本題に入る前に、もうすぐ、波乱だらけの2020年も終わりに近づいているということで、みんなで「今年のレコード大賞はどうなると思う?」というテーマで軽くディスカッションを行いました。先日、今年の各受賞者が発表されていますので、それをもとに「この曲なんだっけ?」「今年はあの人じゃない?」なんて意見を交わしました。

第62回 輝く!日本レコード大賞 各賞発表|TBSテレビ

同時に1979年のレコ大受賞曲も見ながら「この年はほんとにすごい顔ぶれだね〜」なんて比較も。

そして最も盛り上がったのが今年の「特別功労賞」についてです。今年の特別功労賞はこちら!

特別功労賞

  • 梓みちよ
  • 小林信吾
  • ジャッキー吉川
  • 筒美京平
  • 服部克久
  • 弘田三枝子
  • 前田俊明
  • 丸山雅仁

特別功労賞とは、長年に亘り音楽活動・評論活動を展開し、音楽界に大きな貢献をした「故人」に贈られる賞です。みなさんになじみの深い方の名前ばかりだったのではないでしょうか。

そんなこんなで、今回の本題に入っていきます!

本題:音楽と文化のつながり〜昭和ポップスパラダイス〜

今回のプレゼンは、なんと2部制!メンバーの雨玉さんが、第1部では「スポーツ×昭和ポップス」を、第2部では「刑事ドラマ×昭和ポップス」を取り上げ、プレゼンしてくれました。

第1部:スポーツ×昭和ポップス

相撲×昭和ポップス

相撲好きの雨玉さんが、まずは「相撲×昭和ポップス」の観点から時代を読み解いていきます。相撲と昭和ポップス、と言われるとまず最初に思い浮かぶのが増位山太志郎さん。「そんな夕子にほれました」「そんな女のひとりごと」等の代表曲があり、この2曲はそれぞれ100万枚を超えるヒットになっているほか、各種音楽賞も受賞しています。

それもそのはず、相撲の力士は相撲甚句といって、大相撲の巡業などで披露される七五調の囃子歌が相撲教習所の教養必須科目になっていたのだとか。歌がうまいのも、ちゃんと理由があったのですね!

野球×昭和ポップス

野球も大好きな雨玉さん!セ・パ12球団それぞれの応援歌を紹介していきます。

  • 読売ジャイアンツ「闘魂こめて」
  • 阪神タイガース「六甲おろし」
  • 広島カープ「それ行けカープ〜若き鯉たち〜」
  • 近鉄バファローズ「近鉄バファローズの歌」
  • 中日ドラゴンズ「燃えよドラゴンズ!」
  • 日本ハムファイターズ「ファイターズ賛歌」
  • 阪急ブレーブス「阪急ブレーブス応援歌」(オリックスバファローズ『SKY』)
  • 横浜大洋ホエールズ「行くぞ大洋」(横浜ベイスターズ、現横浜DeNAベイスターズ『熱き星たちよ』)
  • 千葉ロッテマリーンズ(ロッテオリオンズ)「われらロッテ親衛隊」「ビバ!オリオンズ」「We Love Marines」
  • ヤクルトスワローズ「東京音頭」
  • 南海ホークス「南海ホークスの歌」(ダイエーホークス「ダイヤモンドの鷹」)
  • 西武ライオンズ「地平を駈ける獅子を見た」「Vのシナリオ」
ヤクルトファンの象徴グッズである傘を用いながらライオンズのユニフォームを着て説明する雨玉さん(横浜のタオルも持ってた)

そして、プレゼンの肝となったのはそれぞれの応援歌を作っている作家さん。「闘魂こめて」「六甲おろし」は同じ作曲家の方(古関裕而さん)が手掛けていたり、阿久悠さんが西武ライオンズ「地平を駈ける獅子を見た」とダイエーホークスの幻の応援歌「ダイヤモンドの鷹」を手掛けていたり、横浜大洋ホエールズの「行くぞ大洋」の作曲家の三鷹淳さんが「闘魂こめて」の2番を歌唱していたり。勝負の世界にも関わらず、応援歌はこんなに球団どうしのつながりが深く、そして大作家の方も多数手がけていたことに驚きです。

東京音頭は西條八十・中山晋平さんコンビ

競馬×昭和ポップス

さて、競馬も大好きな雨玉さん(持ち玉が多い!)、今度は「競馬×昭和ポップス」についてです。第一次競馬ブームを牽引した競走馬・ハイセイコーをモデルにした「さらばハイセイコー」や、のちに山本コウタローとウィークエンドとしてもヒットした山本厚太郎が、ソルティー・シュガーというグループで発表した大ヒット曲「走れコウタロー」について触れました。

また、レース場に入場する時のテーマ音楽をすぎやまこういちさんや鷺巣詩郎さんが手掛けていたことにも言及。職業作家の時代は、音楽のプロが多様なジャンルにまたがって楽曲制作をしていたことがわかります。

プロレス×昭和ポップス

さて、スポーツ編の最後は「プロレス」。プロレスをまったく聴いたことがなくても何故か知っている、超有名プロレスラーたちの登場曲を取り上げました!

  • スタン・ハンセン……スペクトラム「SUNRISE」
  • ジャイアント馬場……「スポーツ行進曲」
  • アントニオ猪木「炎のファイター ~INOKI BOM-BA-YE」(なかにし礼作詞・倍賞美津子歌唱の「いつも一緒に」という曲もある)
  • ザ・ファンクス……クリエイション「スピニング・トーホールド」
  • ミル・マスカラス……Jigsaw 「Skyhigh」
  • 三沢光晴……「スパルタンX」(作曲者のKeith morrisonは作曲家の木森敏之。聖母たちのララバイの作曲などを手掛けている)
  • 天龍源一郎……高中正義「THUNDERSTORM」
  • 長州力…「パワーホール」(作曲:平沢進)
  • 藤波辰爾……「マッチョドラゴン」(作詞:森雪之丞)
  • 獣神サンダーライガー……「怒りの獣神」
  • 神取忍……竜童組「Get it back」(竜童組は、なんと先述したダイエーホークスの幻の応援歌『ダイヤモンドの鷹』を歌っている)

そして最後はもちろん、こちらのデュオ!

一世を風靡したビューティ・ペア

ビューティ・ペアを紹介し、第1部は終了となりました。ここまでだけで、とてつもないボリューム……!休憩を挟んで、第2部。もちろんプレゼンターは、引き続き雨玉さんです。

第2部:刑事ドラマ×昭和ポップス

第2部のテーマは、「刑事ドラマ×昭和ポップス」。たしかに、刑事ドラマ、と言われただけで、今昔関係なく、印象的なテーマ曲が思い浮かびます。

まず刑事ドラマの歴史について紐解いていくと、1957年に放送された「ダイヤル110番」が、日本で初めての刑事ドラマだったようです。こちらは現実の事件等の資料に基づいてストーリーが構成されたものだったのだとか。
その後、1961年に日本初の1時間連続ドラマとして「特別機動捜査隊」が放送。少数チームの刑事たちが現場に急行して事件を解決に当たるという迅速な展開が人気を集め、刑事ドラマのスタイルに大きな影響を与えたようです。

そして60年代後半、刑事ドラマフィーバーが始まります。今回、雨玉さんは数々の刑事ドラマと、そこで使われた音楽を紹介してくださいました。

  • キーハンター(68年:丹波哲郎、野際陽子、川口浩、千葉真一)…主題歌「非情のライセンス」
  • 太陽にほえろ(72-86年:石原裕次郎、松田優作、萩原健一)……大野克夫バンド 井上堯之バンド「ジーパン刑事のテーマ」
  • Gメン(75-82年:丹波哲郎、原田大二郎、倉田保昭、夏木マリ)……「Gメン’75のテーマ」
  • 俺たちの勲章(75年:松田優作、中村雅俊)……トランザム「俺たちの勲章」。
    刑事コンビものの先駆け的作品
  • 大都会シリーズ(76-79年:渡哲也、石原裕次郎、神田正輝、松田優作ほか)……テーマソングはPart1が篠原仁志、Part2がすぎもとさまと、Part3高橋達也が手掛ける
  • 西部警察(79-82年:渡哲也、舘ひろし、寺尾聰)……宇都宮安重「西部警察メインテーマ」羽田健太郎「ワンダフルガイズ」
  • 探偵物語(79年:松田優作)……SHOGUN オープニング「Bad City」エンディング「Lonely Man」
  • 俺たちは天使だ!(沖雅也、多岐川裕美、渡辺篤史、柴田恭兵)……SHOGUN「男達のメロディー」
  • 噂の刑事トミーとマツ(国広富之、松崎しげる)……廣瀬健次郎によるオープニングテーマ
  • 警視-K(80年:勝新太郎)……山下達郎「MY SUGER BABE」。
    勝新太郎 主演・監督・脚本のドラマ
  • プロハンター(81年:草刈正雄、藤竜也)……クリエイション「ロンリーハート」
  • あぶない刑事(86年:舘ひろし、柴田恭兵)……柴田恭兵「RUNNING SHOT」「WAR」。オープニングテーマは作曲が舘ひろし
  • ジャングル(87年:鹿賀丈史、火野正平)……林哲司「Jungle -Main Theme-」
  • はぐれ刑事純情派(88年:藤田まこと、小川範子)……甲斐正人「はぐれ刑事純情派のメインテーマ」、「蒲田行進曲」

(カッコ内は放送年:主な出演者)

最後は雨玉さんが大好きだという水谷豊さんの作品、「傷だらけの天使」(音楽…井上堯之バンド)「熱中時代 刑事編」(主題歌…カリフォルニア・コネクション)、「刑事貴族」(主題歌いろいろ、良曲多し)そして現在も人気を誇っている長寿シリーズ「相棒」(テーマ曲…池頼広)についてご紹介いただきました。

そして、「古畑任三郎」「踊る大捜査線」などの平成に入ってからも数々存在するすばらしい刑事ドラマ作品について軽く触れ、今回のプレゼンは終了。

まとめ

雨玉さんによる今回のプレゼンのまとめ

今回は、カルチャーと昭和ポップスとの結びつき、というテーマにてプレゼンをしていただきました。たとえば異なるスポーツの中でも、音楽を制作している作家さんどうしの結びつきが強かったり、刑事ドラマでも俳優さんが主演兼主題歌も歌っていたり、意外な方がテーマ曲を作っていたり。新たな発見が今回もたくさんあったのではないでしょうか。
そしてなにより、エンターテイメントを最高に盛り上げるためには、やはり音楽は欠かせない存在だということをよーく実感いたしました!
私個人的としては、とくにプロレスについて浅学だったので、昭和のプロレスはこんなに盛り上がっていたのかと、とても勉強になりました。

雨玉さん、さまざまなグッズを実際に見せながらの、2時間半に渡る超大作なプレゼン、どうもありがとうございました!

次回の交流会

次回の交流会は、12月12日(土)の21:00~23:00で開催されます!
先にも述べたように、交流会は自分の好きな歌手や作家さん、楽曲やカルチャーについて、好きなことを何でもプレゼンして良い場になっています。
「いつかはやってみようと思ってるよ〜」というメンバーさんはぜひ、この機会にプレゼンターへの立候補をお待ちしておりますよ!

昭和ポップス倶楽部では、ともに楽しむ仲間を募集しております

今回のように、昭和ポップス倶楽部の交流会では「ぜひこのことについてプレゼンさせてくれ!」という事柄について、1時間ほどたっぷり使って、自分の好きなテーマでメンバーに紹介することができます。
お互いの得意分野どうしの知識や魅力を共有しあうことができるため、発表する側も聴く側もなかなか楽しいですよ。
ぜひ我こそは!という方、ぜひ一緒に楽しみましょう。

昭和ポップス倶楽部ではこのほかに、直接集まるイベント(東京、コロナの状況を鑑みて)、それから普段はチャットルームでの交流、週2回のコラムなど、昭和の音楽を愛する若者たちが楽しめるコンテンツを常に考えています!
※2020年の時点で満35歳・昭和60年生まれ以下の方が対象です

週2回のコラム配信のプランは年齢関係なく参加できます。まずはお試し読みという方もぜひ。

ご参考までに、過去はこんなコラムを配信しています→「昭和ポップス倶楽部」コラム一覧

どういう感じなのか気になるけどちょっと勇気が出ないな…という方は、代表のかなえさんやさにーまでお気軽に質問してみてくださいね!

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