昭和ポップス倶楽部・オンライン交流会【テーマ:昭和のご当地ソング〜東日本編〜】

2021年1月23日、昭和ポップス倶楽部にてオンライン交流会を行いました!
交流会では、持ち回りで誰かひとりが先生(プレゼンター)となり、自分の得意な・好きな分野や歌手について自由に紹介してもらうという内容になっています。

本日のテーマは、「昭和のご当地ソング〜東日本編〜」。今回、プレゼン初挑戦のMさんがこのテーマにて発表してくださいました!

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まずは恒例の自己紹介

今回は初参加の方が1名、お試し参加の方が1名いらっしゃいました。ということでまずは恒例の自己紹介!自己紹介の項目は「名前」「『これは自慢できる!』エピソード」「最も尊敬する昭和ポップスの界の人物」

なかでも興味深いのが「尊敬する人物」。昭和ポップス倶楽部のメンバーはどんな方々を尊敬しているのでしょうか?皆さんのお話にあがったのはこちらの方々!
(カッコ内は尊敬している理由)

  • 阿久悠(昭和の音楽を作ってきた作詞家だから)(幅広いジャンル、バリエーション豊富な歌詞を書いてきた人だから)
  • 高橋靖子(ビジュアル面から昭和を支えたスタイリストさんだから)
  • 吉田拓郎(フォークの方向性を与えた人だし、楽曲提供もしているから)
  • 喜納昌吉(世界的に売れてる曲もあるすごい人だから)
  • 坂本龍一(闘病を応援する意味も込めて、ラジオ番組でも色んな人を発掘たから)
  • 山口百恵(シンプルに声がいいから)(卓越した歌唱力と潔く引退する姿勢が素晴らしいから)
  • 筒美京平(膨大な量の作曲をしており、絶対欠かすことのできない人物だから)(アンテナの高さ、情報収集能力がすごいから)
  • 天野滋/NSP(素朴で純粋な歌詞を世に送り出せるから)
  • 中森明菜(自己プロデュース力や楽曲に対するこだわりがすごいから)

昭和ポップスに関係する歌手ばかりではなく、さまざまなジャンル方々が並びました。阿久悠さん、筒美京平さん、山口百恵さんはそれぞれ2人ずつからお名前があがり、その影響力の大きさを感じさせられます!

自己紹介も済んだところで、今回のメイン・テーマに入っていきます。

テーマ:ご当地ソング〜東日本編〜

今回初プレゼンのMさんが選んだテーマは「ご当地ソング〜東日本編〜」。今回は東日本の中でも北海道・東北・関東を中心に見ていきます。

今日のめあて。目的を持ってプレゼンを聞くことは大事ですね!なんだか学校みたいでいいね

さて、本題に入る前にまずはMさんからメンバーのみなさんに質問が投げかけられました。「ご当地ソングといえば何が思い浮かびますか?」

……みんなそれぞれに、「悲しい色やね」(大阪)「青葉城恋唄」(宮城)「柳ヶ瀬ブルース」(岐阜)などなどの曲を挙げていきました。自分の地元の歌を挙げる方も多かったですね。それでは、実際にはどこのご当地ソングが多いのでしょうか?

こちらは地域と時代ごとのご当地ソングの曲数です。黄色い部分がが特に多い地域ですね。東京がダントツで、次いで北海道、神奈川、青森、茨城と続いています。

この中でも、今回Mさんは「横浜」「北海道」に注目してくれました!

横浜のご当地ソング

数々のご当地ヒット曲が生まれた横浜という地域。皆さんの頭の中にも横浜を舞台にしたヒット曲がいくつか浮かんだのではないでしょうか?
なかでも代表的なものがこちら。

  • よこはま・たそがれ/五木ひろし
  • ブルーライト・ヨコハマ/いしだあゆみ
  • 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
  • 追いかけてヨコハマ/桜田淳子
  • ヨコハマ・チーク/近藤真彦
  • ふりむけばヨコハマ/マルシア

どれも有名な曲ばかりですが、実は上記の横浜ご当地ソングたちには、ある共通点があります。それはいったいなんでしょう?

答えは画像のあと!↓

正解は・・・すべて「ヨコハマ」の文字がひらがなやカタカナで表記されていること!こうして並べてみると、漢字が入っていません。

なぜ「ヨコハマ」なのか?

では、なぜ横浜のご当地ソングのタイトルにはカタカナやひらがなの表記が多いのかについて、Mさんが説明してくれます。

それを解明する鍵としておさらいしておきたいのが、戦後に生まれた横浜ソング。昭和20年代には「港が見える丘」「悲しき口笛」「上海帰りのリル」などの曲がヒットします。

ところで、実はこの3曲、横浜のご当地ソングなのに、「横浜」というワードがひとつもタイトルにつけられていませんね!

なぜ「横浜」という名前が使われていないのかというと、実は「横浜」という名のついた歌はヒットしないというジンクスがあったから、だそうなのです。実際に、この時代には横浜という名前がついているヒット曲はほとんど存在していないそう。

そのジンクスを打ち破ったのが、かの有名ないしだあゆみさんの「ブルーライト・ヨコハマ」だったといいます。

作詞は橋本淳さん、作編曲は筒美京平さん。橋本淳さんは「横浜」という文字をカタカナで表記することで、エキゾチックなイメージをもたせることに成功したのです。結果はもちろん大ヒット、その後たくさんの横浜ソングが生まれることとなりました。

「ブルーライト・ヨコハマ」の功績がなければ、横浜を舞台にしたご当地ヒット曲の数々はもしかしたら生まれていなかったかもしれませんね。

戦後、ご当地ソングが増えた北海道

さて、次に見ていくのは、北海道のご当地ソングです。
北海道はこの表のように、戦後、ご当地ソングの曲数が大きく伸びています。

その理由に考えられるものとしてMさんが挙げてくだれたのは「アクセスの変遷」。北海道は、戦前はほとんど題材として取りあげられてこなかったにもかかわらず、昭和36年に東京ー千歳間にジェット機が初就航したことを皮切りに、北海道のご当地ソングが大きく増加しています。

さらに、もとは「北海道=にしん・漁業」というイメージが合ったらしいのですが、交通の発達により道内各地の知名度が上がり、昭和40年代に入ってからは、地名が具体的に取り入れられた曲が続々と登場してきます。

  • 襟裳岬/森進一
  • 網走番外地/高倉健
  • 函館の女/北島三郎
  • 霧の摩周湖/布施明 など・・・

北海道のどの地域の曲が多いの?

その広い北海道の中で、いったいどこの地域のご当地ソングが多いのかというと、こちらのようになっております。

札幌・小樽・函館・釧路あたりが多いようですね。
この場所の共通点は、すべて「港町」であるということ。さらに札幌は空の玄関口、函館は船の玄関口としての機能もありました。

「北海道の港町」を描いた歌詞・・・どんな内容?

では、それぞれの地域の代表曲である「小樽のひとよ」「函館の女」「釧路の夜」の歌詞を見ていきましょう。

こうして見てみると、「つめたい」「寒い」「遠い」などなど……地名こそ入っていれど、それぞれの地域の個性は歌詞にはあまり見られないように感じられます。それは、作詞した方が内地(本州)の方であるせいで、北海道という何となくのイメージで単一に見てしまっている部分もあるのではないか?とMさんは推察してくれました。

都市観光地としての札幌は特徴的な曲も多い

しかしその一方で、実に個性的に描かれている楽曲もあるのです。それは、「観光地としての札幌」。

昭和47年に札幌オリンピックが開催されたことで、そのテーマソングとして発売されたトワ・エ・モワ「虹と雪のバラード」がヒットしたり、石原裕次郎「恋の町札幌」がリリースされるなど、札幌のイメージを盛り上げています。

他にも、昭和56年に開催された第32回さっぽろ雪まつりのテーマソングとして森雄二とサザンクロス「好きですサッポロ」が発売されるなど、札幌という土地ならではの曲が生まれました。

このように札幌は、歌によって観光地として栄えてきたという側面もあるのかもしれません。

ご当地ソング〜東日本編〜 まとめ

それでは最後に、Mさんによるご当地ソング・東日本編のまとめです!

  • 昭和の時代に各地域にご当地ソングがつくられ、地域の個性が歌われている。横浜は”売れない”ジンクスがあったが、「ブルー・ライト・ヨコハマ」がそれを覆し、ご当地ソングが増えた。
  • 北海道は交通の発達に伴ってご当地ソングが増え、地域の観光の発展にも貢献した。
  • ご当地ソングを聴くことで、その土地の良さを味わうことができる。

今回プレゼンターを務めてくださったMさんは、「メンバーの方々に都度名前を呼びかけて質問する」「シンキングタイム・歌を聴く時間をしっかりとる」というように、メンバーも主体的に参加する工夫が凝らされており、プレゼンターとしての姿勢もたいへん勉強になりました。

Mさん、素晴らしいプレゼンをありがとうございました!

メンバーの皆さんの感想・ご当地ソングに対する所感

最後はメンバーのみなさんで今日のテーマ「ご当地ソング」について少し考えてみました。皆さんから出た意見はこんな感じです。

  • 「雨の御堂筋」「大阪で生まれた女」「河内のオッサンの唄」などなど、大阪のご当地ソングって多い気がする
  • 高知にはあんまりご当地ソングがない……
  • 西日本も気になる
  • 和歌山とかのご当地ソングを知らないので、あるのか気になる
  • 埼玉にはさいたまんぞうという埼玉ご当地ソング歌手がいる

今回の交流会を通して、あらためて自分の地元のご当地ソングを再確認した人も多いのではないでしょうか?あるいは、「そういえばここの地域を歌っている曲って多いな」など気づきがあった方も多いかと思います。
地域と歌との結びつきを深く考える機会となりましたね。

2次会も開催

その後は2時間弱ほど2次会に。2次会で音楽に全く関係ない雑談で盛り上がることもあるのですが、今回は「自分は昭和ポップスのどこに惹かれたのか?」という真面目な話題について熱く語る展開となり、じつに充実した議論が交わされましたね。夜遅くまでお疲れさまでした。

次回の交流会

次回の交流会は、2月13日(土)21時から、オンラインにて開催いたします。次回プレゼンターを務めてくださるのは、こちらも初挑戦のSさん。テーマは「グラス片手に昭和ポップス〜歌は世につれ世は酒につれ〜」
昭和と酒と歌という、なんともディープかつ興味深いテーマで展開してくれます。こちらもお楽しみに!

昭和ポップス倶楽部では、ともに楽しむ仲間を募集しております

今回のように、昭和ポップス倶楽部の交流会では「ぜひこのことについてプレゼンさせてくれ!」という事柄について、自分の好きなテーマでメンバーに紹介することができます。
お互いの得意分野どうしの知識や魅力を共有しあうことができるため、発表する側も聴く側もなかなか楽しいですよ。
ぜひ我こそは!という方、ぜひ一緒に楽しみましょう。

昭和ポップス倶楽部ではこのほかに、直接集まるイベント(東京、コロナの状況を鑑みて)、それから普段はチャットルームでの交流、週2回のコラムなど、昭和の音楽を愛する若者たちが楽しめるコンテンツを常に考えています!
※2020年の時点で満35歳・昭和60年生まれ以下の方が対象です

週2回のコラム配信のプランは年齢関係なく参加できます。まずはお試し読みという方もぜひ。ご参考までに、過去はこんなコラムを配信しています
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