【異世代トークセッション】昭和ポップスはなぜ世代を超えて愛されるのか?イベントレポ

10月3日(土)、歌謡曲バー・スポットライト新宿店にて、異世代トークセッションイベント「昭和ポップスはなぜ世代を超えて愛されるのか?」を開催いたしました。運営・主催は私・さにーが務め、昭和ポップス倶楽部でもお世話になっているかなえさんにもご協力を得ながら企画いたしました。

イベントを開催するに至った経緯

そもそもこのイベントを開催するに至ったのは、「スポットライト新宿店の閉店」が理由でした。
2017年5月にオープンしてから3年、私もたくさん足を運びましたし、沢山の人に出会うことができ、本当に思い出深い場所です。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にあたって、新宿という地域は打撃をもろに受けてしまいました。その上スポットライトは夜のお店・かつお酒を飲むのが中心のお店ということで、その被害はきっと深刻だったことと思います。ついに10月10日をもってお店を閉めることとなってしまいました。

そんな新宿店さんの閉店は私にとっても非常にショックでしたが、オーナーである安東社長が「最後に若い人たちでなにかイベントやらない?」と声をかけてくださいました。加えて「採算は考えなくていいから。最後に好きなことやってよ!」と……。私にとって他にも数え切れないほどのたくさんの人との出会い、そして自分で選んでいるうちはめぐり会えなかったような音楽との出会いをもたらしてくれた新宿店さんに恩返しができるチャンスということで、喜んでやらせていただくことにいたしました。

イベントのテーマは?

「若い人でなにかやってよ」と言われた以上、後追い世代だからこそできる企画を考えることにしました。
そこで、自分自身が昭和ポップス世代ではない身として「どうして昭和ポップスが好きなの?」「どうして好きになったの?」等々の質問は浴びるほど聞かれてきたことを思い出しました。
それほどリアルタイム世代の方が、「世代の違う若者が、昭和ポップスのどんなところにピンときたのか」について気になっているのではないか。そして後追い世代の方も、実際に歌が流行っていた当時のことを教えてもらいたいのではないか。そして両世代とも、世代関係なく混じり合って、いちど膝を突き合わせて好きな音楽について語り合ってみたい(方もいる)のではないかと考えていました。

そこで考えたのが、「昭和ポップスはなぜ世代を超えて愛されるのか?」というテーマ。世代間が持つ最大の謎をそのままテーマにしたのでした。

そして、ゲスト依頼した古木さんのご提案で、チケットもリアルタイム世代、後追い世代で半々にすることになりました。「異世代トークセッション」と銘打っている以上、これは分けてよかったなと思っています。

当日はこんな感じでした

まずは乾杯!左からかなえさん、そうたさん、古木さん、さにー

当日のゲストはこの方々でした。

ゲストの方々

平成生まれ代表・かなえさん

「平成生まれによる昭和ポップス倶楽部」というコミュニティの代表を務めるかなえさん。なんと22歳。大学を卒業しそのままこの事業をはじめた、なかなか肝が座っている方。歌謡曲からシティ・ポップまでフラットに聴いている。

平成生まれ代表・そうたさん

スポットライト新橋店で勤務している社員さん。25歳。音楽は60年代から90年代まで幅広くカバーしており、脳内楽曲収録数は相当なもの。自分からはたくさん語らないけど、話をふったらだいたいわかってくれる社員の鑑。

リアルタイム世代代表・古木さん

スポットライトさんが主催したイントロクイズ大会にて小結に。邦楽・洋楽ともに精通しており、会社員の傍ら80年代Webメディア「Re:minder」にてカタリベとして記事を執筆している。平成生まれへの理解も深く、若者を温かく見守ってくれている。

私・さにーは司会として参加させていただきました!

みんな自己紹介

ゲストの自己紹介もおわったところで今回参加していただいた23名の参加者の方々にも「お名前(ニックネーム)」「後追い世代 or リアルタイム世代」「好きな歌手」を発表してもらいました。ただ、さすがの濃厚な音楽ファンたちが集まった場ということもあり、みなさん喋る、喋る!!(笑)むしろ「自己紹介とかムリ……」ってシーンとしたらどうしようと思っていたので、楽しげに喋ってくださってとても嬉しかったです。

トークセッション開始!

さて、トークセッションでは、まずはゲストの生い立ちをなぞりながら、昭和ポップスに惹かれる理由を探っていきます。

  • 平成生まれの2人は何がキッカケでハマったのか?
  • 平成生まれの2人はどうしてそれを仕事にもしようと思ったのか?
  • リアルタイム世代代表の古木さんは、どんな音楽人生を送ってきたのか?

平成生まれの2人がハマったきっかけの曲は、かなえさんが中森明菜「DESIRE -情熱-」、そうたさんがチェッカーズ「ギザギザハートの子守唄」
そしてリアルタイム世代の古木さんが音楽人生のターニングポイントになった曲としてサザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」を挙げられました。

古木さんの小学2年生時の自由帳。このときから筋金入りですね!

お酒を飲みながらレコード音源を聴けるところがスポットライトさんの特徴。ということで、新宿店の店長である古城戸さんにレコードを流してもらい、大音量でこの音楽を聴きながら、この曲のどんなところが胸を打ったのか、というところを掘り下げていきました。

また、「平成生まれは、普通の友達とカラオケ行くときは何を歌うのか?」なんて話題になったときは、その場に合わせた選曲をするひともいれば、自我を貫き続けてむしろ啓蒙活動の場にする人もいたりと、肩身が狭いカラオケ事情についての話にも花が咲きましたね。

また、今回ゲストとして集まってもらった3人は、ただ「音楽が好き」という枠に収まらず、実際に音楽を通して何かしらの活動をしている方々。とくに平成生まれのためのコミュニティを立ちあげたかなえさんと、スポットライトで社員として働くそうたさんに、その原動力はどこから来るのか、どうして好きな音楽を仕事にしようと思ったのかなどについても聞かせてもらいました。

間に休憩をはさみつつ、事前に皆さんにアンケートをお願いしていた「100年後も残したい昭和ポップス」の発表をしていきます。

票はかなり割れた(そりゃそうだ)ものの、1位は、中森明菜「北ウイング」でした。アーティスト別だと松田聖子さんと中森明菜さんが同率で1位。自己紹介で好きな歌手を発表した際も、今回のイベントでは明菜さんは大人気でしたね。

トークも終わりに近づいて行きて、ゲスト一人ずつ、自分の思う「昭和ポップスはなぜ世代を超えて愛されるのか?」の答えをお話してもらいました。参加されたそれぞれの皆さんの心のなかにも、自分なりの答えが見つかっていれば嬉しいですね。

そして最後に古木さんには「スポットライト新宿店を象徴する一曲」を選んでもらい、皆でレコード音源を聴きました。古木さんが選曲したのは森進一「新宿・みなと町」

この曲は、もちろん新宿には港はないけれど、新宿という街を、多くの人々が離れては戻ってくる港町になぞらえている、というものです。

「新宿はみなと町 はぐれ者たちが 生きる辛さ忘れて 酒をくみかわす町」

「生きて行くことは上手くなくても どこか優しい仲間たち 新宿…新宿…新宿みなと町」

この新宿という街、そしてスポットライト新宿店は、多くの人々にとって「心の灯台」であり「帰るべき港」のような存在だったとのではないか、と古木さんは言います。だから、この曲の歌詞をよく読むと、何でスポットライトの社長の安東さんが、新橋に続く東京の2店舗目をこの「新宿」に据えようと思ったか、少しだけ解る気がする、とも。

スポットライトによく来てるよ、という人もいれば、今回のイベントで初めて足を運んだという人もかなりいらっしゃいました。いずれにしろスポットライトという港で出会えたご縁、またいつか新装開店したスポットライト新宿店にてまた巡り会える日を夢見て……トークセッションは終了となりました。

古城戸店長のDJ講座

その後、イベント中にもレコードを掛けてくださっていた古城戸店長によるDJ講座。DJにおいて気をつけていることは、普段は曲調や年代やテンポが極端に変わったりしないように気をつけながら、激しい曲が続いたときはすこし休憩するような曲も挟んだりしているとのことでした。

とくに音楽をできるだけ切らさぬよう、無音の時間を作らないように気をつけているとのこと。DJに入っている方は音楽を流している3分間ほどは持ち場を離れて飲み物や料理の提供をしつつ、曲の終盤になったらまた舞い戻ってくると。じつはかなり忙しい動きをされていたんですね。

DJがいてレコードで音楽を聴ける、というのがスポットライトさんの特徴だと思いますが、本物のレコードをかけることは、簡単に取り入れられる営業スタイルではなかったはずです。何も考えずに普段は楽しんでしまっていましたが、そんなこだわりや工夫の上に成り立っていることは、なかなかお話しいただける機会もなかったかと思いますので、とても貴重でした。
古城戸さん、ありがとうございます!

最後は写真撮影

あっという間の2時間半。リクエストタイムもそこそこに、最後は皆さんで写真撮影をして、今回のイベントは終了いたしました。

終了後、早速できた友達と語らう人も。「SNSやってますか?」なんてそれぞれ交流しあっていました。イベント終了後、通常営業に入ってもたくさんの方がお店に残ってくださり、本当に嬉しかったです。

イベントを終えて

初のイベント企画と開催ということで、当日は目が回りながらの一日となりましたが、参加された方は楽しんでいただけたでしょうか?
少しでも新たな発見や新しい同志との出会いがあれば私も嬉しいです。

あらためまして、無茶振りにたくさん頭を捻ってくださったゲスト参加のそうたさんと古木さん、ともに企画・運営・広報かつゲストをこなしてくださったかなえさん、快くお店を貸してくださりDJ講座をしてくださった古城戸店長、当日お世話になった新橋店のたかし店長、チャンスをくださった安東社長、そしてなにより新宿まで足を運んでくださったみなさん、どうもありがとうございました!

皆さんの感想は「#ありがとうスポットライト新宿」というTwitterのタグで見ることができます。気になっていたけど行けなかったよ!という方はぜひ見てみてくださいね。

そしてスポットライト新宿さんは、昨日、10月10日をもって営業を終了されました。ありがとう、そしてお疲れ様でした!
ぜひこれを機に新橋店にも足を運んでみてくださいね。

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